Neofinetia Terms

Kakubu no Meishou (各部の名称) = Name of All Parts

  1. Hana (花) = flowers
  2. Ha (葉) = leaves
  3. Ne (根) = roots
  4. Kikon (気根) = aerial roots
  5. Velamen (ベラーメン)= special epidermis
  6. Tsuke (附け) = abscision layer / connection between stem and leaf
  7. Osa (筬) = space between leaves
  8. Jiku (軸) = axis / main stem
  9. Tenba (天葉) = top leaf
  10. Segaku-ben (背萼弁)= dorsal sepal
  11. Gawaka-ben (側花弁) = petals
  12. Shinboshira (芯柱) = column, top part is anther, below is stigma
  13. Gawagaku-ben (側萼弁) = lateral sepals
  14. Shin-ben (唇弁) = labellum
  15. Kyo (距) = spur
  16. Shibou (子房) = ovary

Amami Furan (奄美風蘭) = collected from Amami Island, it is larger than normal Furan and flowers later

Kumo o Ukaberu (雲を浮かべる) = floating cloud, variegation becomes vaguer and looks more like tiger stripe as new leaf grows

Mimizuri (耳摺り) = variegation appears a little on leaf margin

Nakasuke (中透け) = variegated center

Nochizae (後冴え) = to become vivid later, variegation gets clearer when leaf gets old, also known Nochihaze (後晴ぜ), to become clear later

Tenzae (天冴え) = top leaf is vivid, variegation appears clearly from the first, also known as Imahaze (今晴ぜ) = it is vivid now, or Nochikurami (後暗み) = darkens later, variegation gets vaguer or loses variegation when leaf gets old

Nori-fu (乗り斑) = blurred unclear tiger stripe appears on the whole surface of the leaf

Sukashiboshi (透かし星) = special feature in which part of the leaf gets thin and looks like star when seen through sunlight

Suminagashi (墨流し) = dark ink-like stripe


Kawari (変り) = mutant flower

Dan-zaki (段咲き) = stair-like arrangement

Ten-zaki (天咲き) = flower blooms upward

Sancho-zaki (三蝶咲き) = three spurs


Hasugata ni yoru Bunrui (葉姿による分類) = Leaf Types

Nami-ba (並葉) = common shape leaves

Hime-ba (姫葉) = all the leaves gently curved arc seen from the side

Tachi-ba (立ち葉) = upright standing leaves

Tsuyuuke-ba  (露受け葉) = the tip of the leaf which gently drops then turns upward

Wankyoku-ba (湾曲葉) = leaves strongly curved seen from side, for example SEIKAI


Mujihagawari (無地葉変わり) = Plain Leaf Types

Mame-ba (豆葉) = bean-shaped leaf

Hari-ba (針葉) = needle-like leaf, being fine and linear, inevitably the leaf meat becomes thick and hardened

Rasha-ji (羅紗地) = rough surface leaves with fine irregularities / frosted like sandpaper

Kurui-ba (狂い葉) = Shishi-ba (獅子葉) =  screw type leaf, irregularly deformed

Noshi-ba (熨斗葉) = deformed leaf like pinching the left and right edge of the leaves, thus surface of the leaf hides inside

Yasuri-ji (鑢地) = mutation with fine unevenness on the surface of the leaf

Koryu-ba (甲竜葉) = mutation causing gutter-like texture on the leaf surface, the origin of development from two leaves that failed to separate


Fuiri ( 斑入り) = Variegation

Shima (縞) = striping

Naka-fu (中斑) = inner variegation

Tsume-Fukurin (爪覆輪) =  tip fukurin variegation

Tora-fu (虎斑) = tiger stripe

Fukurin (虎斑) = marginal variegation

Chiri-fu (散り斑) = spread pattern


Jiku ni yoru Bunrui (軸による分類) = Axis Types

Doro-jiku (泥軸) = mud brown axis / main stem

Ao-jiku (青軸) = green axis / main stem


Tsuke ni yoru Bunrui (附けによる分類) = Tsuke Types

  1. Tsuki-gata (月型) = crescent moon shape
  2. Ichimonji-gata (一文字型) = straight line
  3. Yumi-gata (弓型) = bow shape
  4. Yama-gata (山型) = mountain shape
  5. Nami-gata (波型) = ocean wave shape
  6. What is Tsuke? It refers to this part (circled red)

Nesaki ni yoru Bunrui (根先による分類) = Root Tip Types

Doro-ne (泥根) = mud brown root tip

Ao-ne (青根) = green root tip

Shira-ne (白根) = white root tip

Ruby-ne (ルビー根) = ruby root tip


富貴蘭の芸と用語

葉の変化

斑芸/標準は無地葉 (斑が入らない)。主に、縞. 覆輪. 中班. 中透け. 虎斑に大別される。ほかに、散斑(緋斑)· 曙斑· 腰斑などがある
葉型/標準は並葉。立葉. 姫葉. 湾曲葉. 露受葉などがある
葉芸/豆葉. 針葉. 甲竜葉. 鑢葉. 羅紗葉照葉. 狂葉. 桶葉. 熨斗葉. 管葉· 鈴虫剣· ガシ· コンペなどがある

付けの型

付けは、葉の離脱層の部分。品種選別の指標になる。
標準は月型。ほかに、一文字型. 山型. 波型がある

軸の色

軸は、葉の付け根あたりで植物体の中心部。品種選別の指標になる。
標準は泥軸 (茶~赤茶色に染まる)。ほかに、青軸(染まらない)· 紅軸 (泥軸で赤みが強い) がある

根の色

生長期の根先の色を観賞する。標準は泥根 (茶色~赤茶色)。
ほかに、青根·ルビー根· 赤根· 黄根· 白根などがある

花の変化

花色/標準は白色。赤色, 緑色. 黄色 (クリーム色) などがある
花型/大輪花. 円弁花. 糸弁花. 多舌花などがある
咲き方/八重咲き。蝶咲き·兜咲き。子宝咲きなどがある

縞(しま) – shima

葉元から葉先にかけて入る筋状の斑。太いー本だけの斑を「棒縞」という

覆輪(ふくりん) – fukurin

葉の縁に回るように入る斑。太く入ると「大覆輪」、細く入ると「糸覆輪」という

爪覆輪(つめふくりん) – tsumefukurin

葉先のみに現れる覆輪状の斑

切り込み覆輪(きりこみふくりん) – kirikomifukurin

覆輪が均一でなく、縁に筋が入る。代表種は“西出都で、「西出芸」ともいわれる

紺覆輪(こんぷくりん) – konpukurin

萌黄の中透けとなった葉の緑の地合い部分を、緑の覆輪に見たてた表現

中斑(なかふ) – nakafu

葉の中心に入る斑。「中透け」や「中通し」も含まれるが、一般には萌黄斑が多い

中透け(なかすけ) – nakasuke

葉の中心に入る白~黄色の斑。透けたように見えるゆえの表現

中通し(なかどおし) – nakadooshi

葉の中心に細く入る斑。般に中透けよりも細い斑をいう

虎斑(とらふ) – torafu

不規則に現れる大小の斑を、虎の尾の模様に見立てた表現

切り虎斑(きりとらふ) – kiritorafu

斑の部分と緑の境が、はっきりした虎斑

曙斑(あけぼのふ) – akebonofu

新葉が白色~黄色で上がり、後に暗む斑。富貴蘭では虎斑の一種として扱われる

雲(くも) – kumo

柄が冴えてくる時に現れる境界がはっきりとしない斑。「雲を浮かべる」と表現する

幽霊(ゆうれい) – yuurei

緑を含まない斑のみの葉

散斑(ちりふ) – chirifu

細かく点状に入る斑。緋斑ともいう。縞に混在すると、「散斑縞」という

松葉(まつば) – matsuba

本来の斑に、緑の散斑が混在して入る様子。「松葉を散らす」と表現する

墨(すみ) – sumi

大工が木材に打つような黒い線。光沢のある線で、後に黒くなる場合もある

小豆斑(あずきふ) – azukifu

下葉にアントシアニン色素が濃く現れた状態。日を強く採ると現れ、本来の斑ではない

糊を引く(のりをひく) – noriohiku

葉の表面が糊を塗ったようにくすみ、滑らかで艶のない状態。代表種は’富貴殿’

耳摺斑(みみずりふ) – mimizurifu

葉の縁に不規則に入る擦ったような斑

紅隈(べにくま) – benikuma

斑の部分にアントシアン色素が乗り、紅色の斑のようになること

腰斑(こしふ) – koshifu

付け辺りを腰に見立て、その部分に出る斑

紺性(こんせい) – konsei

葉緑の濃さ。濃いものを「紺性が強い」、薄いものを「紺性が弱い」などと表現する

天冴え(てんざえ) – tenzae

斑が新葉から入り、下葉まで残るもの。新葉に入らないものを「後(のち)冴え」という

暗む(くらむ) – kuramu

斑が徐々に消えて、緑の葉に近づいていくこと

立葉(たちば) – tachiba

葉元から立ち上がり、一直線に伸びる葉

姫葉(ひめば) – himeba

葉が緩やかに弧を描くように曲がる葉。女性的な優しさを感じさせるゆえの表現

湾曲葉(わんきょくば) – wankyokuba

葉が大きく円を描くように湾曲する葉。湾曲が特に強いものを「輪反り」という

露受葉(つゆうけば) – tsuyuukeba

先端が上に反り上がった葉。「受葉」ともいう

豆葉(まめば) – mameba

葉長が極端に短くなったもの。ボリューム感ある姿で、大きさは小型とは限らない

針葉(はりば) – hariba

葉幅が極端に狭くなり、針のように細く鋭く尖った葉

甲竜(こうりゅう) – kouryuu

葉の一部が盛り上がり波を打ったりするにと。葉裏に出ると「裏甲竜」と呼ぶ

堅条線(けんじょうせん) – kenjousen

葉の表面に縞状に入る凹状の白い線

鑢葉(やすりば) – yasuriba

表面にヤスリの目のようにシワが入りザラザラとした葉

羅紗葉(らしゃば) – rashaba

表面に細かい凸凹が現れた状態を、紡毛織物のけばだった様子に例えた表現

絹地(きぬじ) – kinuji

葉の表面が滑らかで、きめ細かい地合い

照葉(てりば) – teriba

表面が滑らかで、強い艶がある葉

狂葉(くるいば) – kuruiba

不規則に曲がったりねじれだりする葉

樋葉(といば) – toiba

中心から折れ、断面がV字になる葉。葉の表面が完全に合わさると「管葉」という

熨斗葉(のしば) – noshiba

中心から折れ、中央で合わさり先にかけて開き、慰斗のような形になった葉

鈴虫剣(すずむしけん) – suzumushiken

葉先を摘んで失らせたような葉芸を、スズムシの輸卵管に見立てた表現

力葉(りきば) – rikiba

葉先がへの字に折れ曲がった葉。力強い印象を与える

丸止め(まるどめ) – marudome

葉先が細くならずに、丸みを帯びる葉の状態

木の葉型(このはがた) – konohagata

葉の中央の幅が広く、木の葉のように見える葉。代表種は大江丸縞

ガシ – gashi

葉の一部が盛り上がり線状に連なる。立状線ともいう

コンペ – konpe

金平糖のように突起が出る芸。富貴蘭の場合は異なる葉質が本来の葉の中に含まれる状態

月型(つきがた) – tsukigata

付け(葉の離脱層の部分)の形が半円弧を描くもの。標準的な付けの形

一文字型(いちもんじがた) – ichimonjigata

付けの形が直線のもの

山型(やまがた) – yamagata

付けの形が凸状のもの

波型(なみがた) – namigata

付けの形が波状のもの

泥軸(どろじく) – dorojiku

軸(葉の付け根あたりで植物体の中心部)が茶~赤茶色に染まるもの。標準的な軸の色

青軸(あおじく) – aojiku

軸にアントシアニン色素が乗らずに緑色のもの

紅軸(べにじく) – benijiku

軸にアントシアニン色素が乗り、鮮やかに赤く染まったもの

泥根(どろね) – dorone

生長期に伸びる根の先端部が茶色~赤茶色。標準的な根の色

青根(あおね) – aone

生長期に伸びる根の先端部が緑色のもの

ルビー根(るびーね) – rubine

生長期に伸びる根の先端部が冴えた赤紫色になるもの

葉繰り(はぐり) – haguri

葉の枚数。下葉が残り、葉が多いと「葉繰りが良い」と表現する

襟組み(えりぐみ) – erigumi

葉の根元を着物の襟に例え、規則正しい様子を「襟組み(襟合わせ)が良い」と表現する

筬(おさ) – osa

葉と葉の間隔。狭いものを「歳が詰まる」、広いものを「筬が緩い」と表現する

天葉(てんば) – tenba

一番上の新しい葉

稚葉(ちば) – chiba

幼苗の一番下の小さな1~2枚の葉。生長しても大きくならずに落葉する


日本富貴蘭会の平成26年度撰第65号富貴蘭銘鑑

銘鑑とは登録品種を相撲の番付表に習って掲載したもの。 品種の人気や普及具合により格付けされ、 掲載位置が決まり、時代を反映し、富貴蘭の歴史のひとつとしても重要な資料料。

◆縦方向の格付けは、優秀品→全盛品と続き、優秀品の最上位は上段中央く富貴殿〉で、次いで上段右端《金牡丹》→同左端く大江丸縞)、下段中央《満月》→同右端く楊貴姫》→同左端《慶賀》、中段中央《御旗》一→同右端く卑弥呼》→同左端〈翠扇》の順となる。続く全盛品の最上位は、上段中央の右枠(玉錦》→左枠《銀世界》、上段右の右枠(雲龍滝)一→左枠(幽谷錦)、上段左の右枠く金広錦》→左枠《連城丸》、次いで、下段中央の右枠く豊明殿》→左枠(旭昇》…と続く

◆横方向の格付けは、別格稀貴品→稀貴品→全盛貴品一→貴品→全盛品と続き、さらに各枠内の格付けを別格称稀貴品を例に見ると、最上位は右枠右端《湖東錦》で、次いで左枠右端《罷〉、右枠右端く白牡丹〉…と続き、最下位は左枠左端く牡丹錦》となる

◆左側外枠の新登録品種は翌年度に稀貴品の右枠右端へ並べられる。翌々年度には、その人気にふさわしい格付けの枠へ置かれる

◆格枠からの昇格は上段の左枠左端へ、降格は下段の右枠右端へ置かれる


はじめに

「富貴蘭」とは、日本に自生する着生蘭の一種、フウランの園芸品種の総称です。そのシンメトリーの多肉質の葉は、多様な色彩と形で輝きを放ち、美しい、可愛い、格好が良い、はたまた滑稽である、奇っ怪であるなど、人々のあらゆる感性を刺激します。

この富貴蘭をべテランの園芸家が“最後に行き着く植物”と評する由縁は、その溢れる魅力にあります。最も親しみやすい魅力は、その甘く清涼感のある秀でた花の香りです。この香りから富蘭に夢中になった愛好家は多く、良い香りの花を咲かせる植物の一番手に挙げる方も少なくありません。

また、「枯れることはない」と言われるほど丈夫で、栽培が容易なこと、コンパクトで場所を取らず、都会のマンションのベランダでも充分に楽しめることは、忙しく住環境に恵まれない現代人にとって園芸上の大きな魅力となっています。

そして、ゆっくりと、でも確実に生長する様子は、しばし時を忘れ、癒しを感じる素敵な時間をもたらしてくれるのです。

本書では、富貴蘭の魅力を様々な角度からご紹介します。富貴蘭を愛する人々により受け継がれる魅惑の世界をご覧下さい。